新築住宅に比べて安い価格で手に入る、自分好みにカスタマイズできるなど、最近では中古住宅をリノベーションして住むという方法が注目を集めています。
しかしリノベーションを初めて行う方にとっては、そもそもリノベーションってどんなものなのか?というところから、どんなダンドリで進めていけばよいのか、費用はどれくらいかかるのか・・・などあらゆる不安と隣り合わせではないでしょうか。
こちらでは中古住宅リノベの具体的なダンドリやリノベーションを行うべき場所、費用相場について詳しく解説していきます。
中古住宅をリノベーションするメリットとデメリット
中古住宅におけるリノベーションとは、「より安心して過ごせるよう住みやすく改良する」という意味があります。
築年数が古い住宅の場合、外装、内装ともに修繕すべき箇所が見受けられることも多く、適切な対応が必要です。
まずは中古住宅をリノベーションすることによって生じるメリット、デメリットについて見ていきましょう。
⚫︎新築住宅を購入するよりも安い費用で済む場合がある
「リノベーションをしたら高い費用がかかるのでは?」と思われるかもしれませんが、実際にはあらゆる箇所をリノベーションしても新築住宅よりもトータルで安い金額で収まることが多いです。
⚫︎資産価値が下落しない可能性がある
残念ながら新築住宅を購入した場合は、購入後10年ほどで資産価値が半分以下にまで下がってしまいます。
その点、中古住宅の場合はリノベーションを行うことによって住宅性能が向上したり、最新の設備を取り入れることで住宅全体の価値が高くなります。
⚫︎自分好みやセンスの良い住宅にカスタマイズできる
中古住宅+リノベーションの一番の魅力は、なんといっても「自由度が高い」という点です。
あらゆる要望を叶えられる条件にあることが多く、自分好みの住宅にすることはもちろん、流行りに乗ったセンスの良い住宅を実現することも可能です。
⚫︎工期が長い
一方、中古住宅をリノベーションする際には工期が長く、場合によっては契約後半年ほど待たされることも珍しくありません。
そのためリノベーションをおこなっている期間は別の場所に仮の住まいを用意する必要が出てくるかもしれません。
ただし、リノベーションを行う箇所やプランによってはその家に住みながらの進行も可能ですし、数日で完了することもあります。
⚫︎住宅ローンの借入限度額が低い
新築住宅を購入する場合と中古住宅を購入する場合では、実は借入限度額が異なります。
中古住宅の方が借入限度額が少ないため、借りられない部分は自費で用意する必要があるのです。
⚫︎住宅ローンの金利が高い
住宅ローンとは別にリノベーション費用も借りたいという場合には注意が必要です。
2本立てでローンを組む場合には通常よりも金利が高くなることが多いので、このようなケースには「リフォーム一体型ローン」がおすすめです。
中古住宅をリノベーションする時のダンドリ
さて、本題の中古住宅リノベーションする時のダンドリについて見ていきましょう。
ダンドリを間違えるとスムーズに事が進まなかったり、途中でストップしてしまうばかりか、不動産会社や工務店とトラブルになってしまうことも。
引き渡しまでスムーズに進めるよう、ぜひこちらを参考にしてみてくださいね。
1.家に対する要望やこだわりを整理
人によって住まいに対する要望やこだわりはさまざまだと思います。
家族構成やライフプランに応じて適切な住宅というのはそれぞれ異なりますね。
まずはあなたが「どんな家にしたいのか」や「ここは譲れない」というポイントをまとめてみてください。
例えば、家族全員の様子がキッチンから見える間取り、お風呂は広い方がよい、収納スペースはたくさんほしいなど具体的な要望を箇条書きでまとめておきましょう。
これがいわゆるあなたの家の「要望書」になります。
2.リノベーションの相場確認と資金計画
中古住宅+リノベーションを行うという方向性で家を購入することが決まったら、リノベーションの相場確認と相場に応じた資金調達の方法を考えましょう。
例えば、中古住宅は1000万円で手に入ったけれど水回りを一新したいというのであればリノベーション費用は300万円ほど必要になります。
住宅ローン+リフォームローンを借りるのか、リノベーションの費用は自費で払うのかなど、将来を見据えたキャッシュフロー計画を立てましょう。
3.物件・リノベーション業者探し
住宅そのものに対する要望があれば、立地に関する要望がある場合も少なくありません。
希望の場所、条件に応じた物件を探しながら同時にリノベーションを行ってくれる専門業者や工務店を探す必要があります。
もちろん中古物件が見つかってからリノベーション業者を探しても問題はありませんが、その分入居時期が伸びてしまいます。
「早く入居したい」というのであれば、物件探しとリノベーション業者探しを同時進行するのが好ましいでしょう。
4.内見
実際に条件に合う物件が見つかったら、通常の不動産契約のように内見を行います。
特に中古住宅の場合は築年数が古いことが想定されるため、外壁や基礎のひび割れ、塗装のはがれ、床の傾きや水回りの劣化度合いなど細かくチェックしておきましょう。
この内見の結果をもとに「どこをリノベーションするか」という計画を立てていきます。
5.購入申込・売買契約・決済・引き渡し
ここからは新築住宅購入と全く同じ流れとなり、購入申込、売買契約、決済、引き渡しと順番に進んでいきます。
6.リノベーション着工
何も手を入れていない状態で物件の引き渡しが完了すると、いよいよリノベーション工事がスタートします。
リノベーションを行う箇所や範囲によってかかる工期は大きく変わってきますが、家に住みながらのリノベーションはたとえプラン上可能であったとしてもおすすめできません。
普段使わない部屋やライフスタイルには影響がない箇所にしても、工事によるホコリや騒音が気になってしまうからです。
7.引き渡し
リノベーションが完了するといよいよ引き渡しとなります。
ここで注意しておきたいのは、要望通りの工事ができているか、不具合がないかという点です。
もし要望通りの工事が行われていない場合、修正や追加工事が必要になります。
リノベを行うべき場所と費用相場
リノベーションを行う時に最も気になるのが費用ではないでしょうか。
一般的なリノベーションの相場は300万円~500万円ほどと言われていますが、広範囲をリノベーションしたいとか、グレードが高い設備を取り入れる場合には当然さらに高い金額がかかってきます。
こちらではリノベーションをすべき箇所とそれぞれにかかる費用相場を詳しく解説していきます。
⚫︎耐震性能・断熱性能
中古住宅の場合、そもそも住宅の性能や安全性が心配なところですね。
すでに米国では全体の取引の7~9割ほどでおこなわれているホームインスペクションにより、住宅に欠陥がないか確かめることができます。
ホームインスペクションとは住宅診断のことで、住宅診断士と呼ばれる住宅に精通したプロが診断を行います。
中古住宅では適切な耐震基準、断熱性能を満たしているかという点が特に着目すべきポイントです。
物件によってはそのまま何の対策もしないでいると災害時倒壊の危険があるものや、断熱材が十分に入っておらず快適な暮らしが保障できないものも存在します。
耐震補強工事は100~150万円ほど、断熱リフォームは200~500万円ほどとされています。
⚫︎外装
築年数が古いと必然的に大きくダメージを受けるのが外装です。
雨や風の影響を直接受ける場所になるため、外壁のひび割れや屋根瓦のズレ、雨漏りなどが心配されます。
外装に関しては1つの工事につき150万円以内で収まることが多いです。
⚫︎内装
壁紙や床材も外装よりは劣化スピードが遅いものの、長期間経過しているものは古くなっている可能性があります。
壁紙は生活をしているうちについた油汚れやヤニなどの色素沈着や破れなど、床材は軋みや歪み、浮きなどが気になるところです。
壁紙、床材ともに10万円ほどの費用がかかります。
⚫︎水回り
最もリノベーションしがいのある箇所といえばやはり水回りでしょう。
キッチン、風呂場、トイレ、洗面台など全てを一新することによって新築同様の美しさ、使い勝手となるため、常に中古住宅リノベーション箇所の上位にランクインしています。
中古住宅では浴室が狭かったり、ユニットバスが深かったりと、そのままにしておくと現代の生活において暮らしづらさを感じられるかもしれません。
水回りの設備は常にユーザーのことを考え、年々性能の良いものに生まれ変わっていますので、暮らしやすさと安全面、そして住宅の評価を考えると新しくしてしまった方が良いでしょう。
キッチンと風呂場は100~150万円ほど、トイレと洗面台は30万円以内で収まることが多いです。
⚫︎コンセント・通信設備・エアコン専用回路
現在では多くの家電や通信機器を使って生活をしている方が大半だと思いますが、昔はそのような生活様式ではありませんでした。
物件によってはコンセントやエアコン専用回路の増設、インターネットの開通などが必要になります。
いずれも他の箇所のリノベーションに比べると安価で、10万円以内で収まることが多いでしょう。
まとめ
リノベーションをすることであなたが求める住宅へと姿を変え、快適な暮らしを手に入れることが可能です。
リノベーションを成功させるためには、どのようなダンドリでリノベーションを行うかはもちろん。各箇所にかかるリノベーション費用の相場を知っておくことも大切です。